ぼくとー旅行記

どんなに些細な距離であっても、非日常がそこにあるならそれは旅行である。

奥の下道(復路)

初稿: 2024/08/11

bokutou-travel.hateblo.jp

新型コロナの波の合間に

 時は2020年、新型コロナによる非常事態宣言も一旦解除されたそんな時期。安かったから宿泊した何気ないビジネスホテルでも、「GOTOトラベル」のクーポンが貰えてちょっぴり嬉しかったり。これは想定外。

仙台といえば牛タン

 というわけで、仙台駅ヨドバシカメラ横の牛タン焼き店「司」さんで晩御飯に牛タンを。だいぶ並びましたが、その甲斐あるお味でした。刻みわさびをつけて食べる牛タンに、日本酒がまた合います。ちょっと贅沢ですが、これもGOTOクーポンのおかげということで。

 さて、イントロで飯テロをしたところで復路のお話へ。仙台から東京まで、在来線といえば、当然アレですよね…?

2020年11月23日 (M1)

ひたち14号:仙台(1013)~品川(1451)

えきねっと トクだ値50

 はい皆様の予想通り、国内有数の長距離昼行特急「ひたち」で仙台から品川まで常磐線経由の4時間40分で駆け抜けます。よくよく考えると、はやぶさなら東京~新函館北斗が最速4時間、のぞみなら4時間40分で東京から小倉まで行けますからね、新幹線って速いですね。東京~仙台も1時間半ですし。その所要時間差をどう捉えるかはその人次第。乗りたいから乗るのです。そもそもこの旅行の計画を立てたのはこの切符があったから。なんとえきねっと乗車券・特急券込みで半額と破格のきっぷが販売されていたので弾丸旅程でも乗りに行くことを決意。一度は乗っておきたい列車ですから。

東北の駅名に並ぶ、見慣れた「品川」

 というわけで朝の仙台駅。いつもならうんざりする「品川」の2文字も、仙台駅の電光掲示板に輝くのを見ると心が躍ります。よくよく考えると、「仙台やまびこ」よりも長距離を走るんですよね…。

E657系(モハE656-107に乗車)

 ……うん、見たことある車両だ。しかし、上野駅では埋もれる10両編成も、仙台の地ではかなり長大な存在。大都会東京へ向かう特急といった風格です。

E657系車内

 それでは早速車内へ。近年のJRらしい、白と黒を基調としたスタイリッシュな内装です。まあE259系*1とそっくり、とも言いますが。当然Wi-Fiも完備で4時間半、快適に過ごせそうです。

2020年3月14日全線再開

 今でこそ東北新幹線の振り替え輸送等で有名な特急ひたちですが、海沿いを走る常磐線のこと、東日本大震災津波の被害をうけたのみならず、一部区間原発警戒区域に指定されたこともあり復旧工事もままならないまま長らくの間不通に。ようやく作業が行えるようになり、除染して線路を引き直して常磐線が全線運転再開したのが2020年3月14日のこと。震災から実に9年の時を経ての復旧となりました。そんな感動的な運転再開日ですが、新型コロナの影響で式典も縮小されるなど、とことん恵まれない…。震災直前には特急ひたちの系統分離*2も計画され、さらには震災で物理的に分断されてしまった常磐線ですが、時を経ても諦めることなく必死の復旧作業の末に全通し、復興のシンボルとしてE657系が夢と希望を乗せて福島県浜通りを駆け抜ける。さらには分断の危機を乗り越え繋いだ特急ひたちが、東北新幹線のバックアップまで果たすようになった……と考えると、なかなか感慨深いものです。

規模の縮小された双葉駅

 特急ひたちは仙台駅を出ると岩沼駅まで東北本線で仙台の街並みを抜け、いよいよ当駅起点(終点)の常磐線に入ると福島の沿岸部を目指していきます。福島県内に入るころには何もない空き地やがれきなど、車窓には痛々しい震災の爪痕が見られ、東日本大震災はまだ過去のものじゃない、常磐線が全通してようやく復興のスタートラインなんだ、と痛感させられます。常磐線も全通したとはいえ、規模は縮小されたもの。明らかに複線だった用地に単線が通してあったり、ホームがいくつか復旧されずじまい(アスファルトで埋められた駅も)の駅が見られたりします。被災後線路を引き直した区間もあり、放棄された旧線の盛土や橋梁がところどころ見られるなど、震災の被害の大きさが車窓を通じてひしひしと伝わります。

これも線路跡地?

 相馬・浪江・双葉とニュースで見たことのある地名が続きますが、仙台からの乗客の多くはこの辺りで下車。逆に東京へ向かう地元民が乗車してくるなど、常磐線の需要、復旧の意義を感じます。それでも時折見える放射線量を示すモニターに、この土地の難しさを思い知らされますが……。まだ、震災は終わってない。

復興へ向けて

 ここまでは、単線で線形も悪くスピードが出せない上、停車駅も多いため特急といえどゆっくりとした行程でしたが、いわきからは複線になって最高速度も上がり、特急らしい快足っぷりを発揮します。日立以南を130 km/hで飛ばす姿は、流石東日本有数の特急です。ここまで来ると、いわゆる関東の「常磐線」といった姿。E531系が見えてくると、東京に近づいてきた感じがしてきて、あっという間に上野駅。震災前には存在しなかった上野東京ラインを上って、終点品川駅に到着です。長旅でしたが、新幹線とは異なり車窓はバリデーションに富むため飽きの来ない旅でした。

おわりに

昼食はもちろん加熱式弁当容器の牛タン弁当

 ようやく全通した常磐線。その車窓は、震災の爪痕が未だ残るものでした、

 東日本大震災当時、私は千葉にいて、液状化現象で割れる地面や傾く電柱に「やべぇな…」と思った記憶がありますが、生で見る東北の景色は色々と考えさせられるものがあります。

 車窓に広がる生の福島と、なんとか復旧して福島の地を駆けるひたちの雄姿。近場に居る方は是非見ていただきたいなと思います(何様だよ、って感じですが)。

 東京を結ぶひたちが、希望と未来を福島に運びますように。

 最後までお読みいただきありがとうございました。