東京あんだーぐらうんど(メトロ編)
初稿: 2024/03/24
2016年8月12日 (B1)
東京といえば山手線。その内側を突っ切るのは中央線だけ…なはずが無く、その地下には縦横無尽に地下鉄が走っています。流石は首都東京、地下鉄の総路線数は13を数え、事業者数は何故か「東京メトロ」と「東京都交通局」の2社に分かれます。無駄に複雑ですね。「帝都高速度交通営団」*1という名称を知っている方は最早お年寄りです。
そんな都心部を走る地下鉄。山手線の内側に用がある時にはよく利用しますが、あまり全線乗り通す機会は無いよな…ということで、東京メトロ全線に乗ってみました。使うのはこちらの「東京メトロ24時間券」。「珍しいものではない」と、野ざらしにしていたのを久々にスキャンしたのでずいぶん汚いですが。ちなみに面倒ですが、事前購入ならもっとオシャレな磁気カードになります。この24時間券、その名の通り「使い始めてから24時間」有効な切符と、使い始め時刻に依らないフェアなもの。料金は600円と、区間には依りますが3~4回乗車すれば元が取れるので、コイツをいかに上手く使うかがおトクに東京観光するコツです。
それではこの一日乗車券を改札に通して、東京地底の冒険へ。ロクな車窓がないので、今回は各路線の主観的な解説と感想メインの記事になります。
- 2016年8月12日 (B1)
- M:丸ノ内線 (荻窪・方南町~池袋)
- C:千代田線 (小田急小田原線・・・代々木上原~綾瀬(・・・JR常磐線)~北綾瀬)
- H:日比谷線 (中目黒~北千住・・・東武伊勢崎線)
- G:銀座線 (渋谷~浅草)
- Z:半蔵門線 (東急田園都市線・・・渋谷~押上・・・東武伊勢崎線)
- F:副都心線 (東武東上線・・・和光市~(西武有楽町線・・・)小竹向原~渋谷・・・東急東横線)
- Y:有楽町線 (東武東上線・・・和光市~(西武有楽町線・・・)小竹向原~新木場)
- N:南北線 (東急目黒線・・・目黒~白金高輪~赤羽岩淵・・・埼玉高速鉄道)
- T:東西線 (JR中央総武緩行線・・・中野~西船橋・・・JR中央総武緩行線・東葉高速鉄道)
- おわりに
M:丸ノ内線 (荻窪・方南町~池袋)
4号線丸ノ内線は2番目に開業した地下鉄で、路線番号(筆者が勝手に命名。メトロは車両形式の千の位に対応する…はず)はたぶん2。銀座線と並び古い路線なため規格が特殊で、パンタグラフが存在せず第三軌条方式*2なのが特徴です。個人的には「東京の地下鉄と言えば丸ノ内線」というイメージ。池袋・東京・銀座・霞ヶ関・新宿と要所を押さえた地下鉄オブ地下鉄です(個人の感想です)。
丸ノ内線(M):池袋~荻窪
というわけで朝6時の池袋からスタート。東京・銀座をぐるっと回って、荻窪まで50分乗っていきます。朝といっても流石は丸ノ内線。東京の辺りでは混んできました。
丸ノ内線(M):荻窪~中野坂上
JRの倍近い時間をかけて荻窪駅へ。うーん、写真が池袋とほぼ同じですね…。
地上に上がれば東西線の車両に出会えますが、ここからは乗れない*3ので、来た道を引き返します。
丸ノ内線(Mb):中野坂上~方南町
中野坂上駅まで戻ったら、真ん中にあるホームから方南町支線に乗車します。途中の中野富士見町にある車両基地*4に向けた分岐線で、中野富士見町までは池袋からの直通列車が乗り入れますが、その先の方南町は3両編成しか入れないため分岐駅で専用の支線用3両編成に乗り換えます。…というのは昔(当時)の話。現在ではホーム延長工事を施したため池袋直通列車が方南町まで乗り入れるようになりました。おかげで方南町周辺の不動産価値が上がってメトロの総資産も増えたとか…っていただきストリートですか?そして支線専用の3両編成は姿を消していきました。どことなくチープな感じが味わい深かったんですけどね。
丸ノ内線(M):方南町~中野坂上~新宿三丁目
方南町支線では駅ナンバリングのアルファベットがMbとなっていますが、昔はmだったよな…と思っていたら、駅名標は古い「m03 方南町」表記のままでした。よかった、記憶違いじゃなかった。まあ、駅や車内での音声放送だとMとmの区別が付かないからでしょうかね。
という訳で、すこし寂しい方南町を離れ、中野坂上で本線に乗り換え。池袋行きに乗車し、新宿三丁目で下車します。
副都心線(F):新宿三丁目~明治神宮前
新宿三丁目でようやく丸ノ内線以外の路線に乗り換え。最年少の副都心線(F)に乗りますが、短区間乗車なので副都心線への感想は後で述べます。
車両はいかにも古そうな営団7000系。……お前千代田線に居ただろ!って見た目ですが、千代田線用の6000系とは微妙に違うらしいです。車内は未だに扇風機が備え付けられ年季を感じさせますが、東横線で急行運用に就くなどまだまだ動けるおじいちゃん…でした。回生失効時のブレーキ臭が印象的ですね。
C:千代田線 (小田急小田原線・・・代々木上原~綾瀬(・・・JR常磐線)~北綾瀬)
9号線千代田線は東京都の地下鉄としては7番目に開業*5し、路線番号はたぶん6の路線です。大手町・霞ヶ関など、その路線名の通り千代田区という首都の中心地帯を微妙に逸れながら走る、エリート路線。流石にこの頃になると他社との直通もこなれてきて、西はかの小田急小田原線と直通する……のはいいのですが、東はなんとJR常磐緩行線と相互乗り入れしてしまった珍しい路線。国鉄(当時)との車両規格の統一が大変だったとか…。北千住~綾瀬は千代田線なんだか常磐線なんだかよく分からない状態*6です。松戸に行くまで、緩行線・快速線一体的な駅が存在しないのが、治外法権感を強めます。小田急は小田急でJR東日本と繋がっている一方でJR東海にも乗り入れてみたり*7、地下鉄にロマンスカーを直通させてみたり*8、なかなかカオスなことになっている路線。しかしこの後の地下鉄はますますカオス化の一途を辿るのであった……。千代田線の頃から、他社との直通の都合上高規格(20 m級・10両編成)な車両が乗り入れ長大なホームが整備される一方で、過剰輸送とならないよう本数は絞られ始めるため、だだっ広い地下鉄駅に寂しい印象を持ち始めた…気がします。
千代田線(M):明治神宮前~代々木上原
明治神宮前を2分で乗り換えて、まずは千代田線の末端、代々木上原駅まで小田急車に乗車します。久々の地上駅でのびのびとした気分です。まあ、天気はなんか怪しげですが……。
千代田線(M):代々木上原~綾瀬
今でこそ小田急は複々線化されてますが、当時はまだ代々木上原~梅ヶ丘は複々線化されておらず、屈指の渋滞区間でした。そんな8時前で大混雑の小田急線をよそに、千代田線を乗り通します。
千代田線(M):綾瀬~北綾瀬
上述の通り、綾瀬駅は書類上はJR常磐線の駅ですが、駅の管理はメトロが担っており、駅の案内も駅名標も乗り入れる列車もメトロと、外観上はメトロの駅になっています。
そんな綾瀬駅のさらにカオスな部分、0番線に向かっていきます。
0番線からは東京メトロ千代田線の北綾瀬支線が伸びており、車両基地に併設する北綾瀬駅までを結びます。この区間は常磐線には含まれないため、れっきとした東京メトロの路線です。代々木上原方は常磐線なんですけどね。うーん、複雑怪奇。
北綾瀬駅ホームは3両分しか存在しないため、綾瀬駅0番線から専用の支線用3両編成に乗り換えます。…というのは昔(当時)の話。現在では北綾瀬駅ホーム延長工事を施したおかげで、本線からの列車も乗り入れるようになりました。って話、方南町でもしましたね。東京の宅地開発は、メトロの想像の遙か上をいったようです。
千代田線(C):北綾瀬~綾瀬~北千住
北綾瀬まで来たので千代田線はクリア。この先には何も無いので来た道を戻ります。どうせ引き返すだけなら盲腸線まで乗らなくても…けど、勇者ヒンメルならそうするよね。というわけで「末端まで制覇した」という謎の達成感を胸に北千住へ。綾瀬~北千住は千代田線というより常磐線だし、車両もJR東のE233系だったし……。
H:日比谷線 (中目黒~北千住・・・東武伊勢崎線)
2号線日比谷線は東京都の地下鉄としては4番目に開業*9し、路線番号はたぶん3の路線です。この頃から他社との直通運転のため、ちゃんと狭軌・架空電車線方式と一般的なスタイルを採用しており、東武伊勢崎線(や昔は東急東横線)と直通しています。が、古いためか急カーブがありホームも短い上、建築限界も小さく、フルサイズの車両は乗り入れられない微妙な規格。この微妙さが、東横線との直通運転が無くなった原因の一つだったのでしょう。まあ、今の東横線にこれ以上直通させたら死んじゃいますが。銀座・日比谷・霞ヶ関・六本木と一等地を通りつつ、上野・秋葉原といった庶民的なところも通るのが魅力的な路線。北西側の人間には縁の無い路線ですけどね。
日比谷線(H):北千住~中目黒
という訳で、終点の中目黒駅です。昔は菊名まで乗り入れていたんですけどね…。
本当は、対岸の東横線に乗って渋谷(副都心線)に行けるとラクなのですが、それだと不正乗車になっちゃうので来た道を引き返します。
日比谷線(H):中目黒~霞ヶ関
帰りは東武車でした。このように、日比谷線は混雑が激しすぎて、18 m車体に扉を5つつけるという狂気じみた車両もありました。まあJRも6扉車とかありましたけどね。この次世代の日比谷線車両は、建築限界が緩和されたので20 m級7両というまた微妙な編成になっていきます。
千代田線(C):霞ヶ関~表参道
今でこそ虎ノ門ヒルズ駅がありますが、当時は日比谷線→銀座線の乗り換えが大変でした。なかなか他路線とぶつからないんですよね、日比谷線って。
G:銀座線 (渋谷~浅草)
3号線銀座線は日本初・東洋初の地下鉄で、路線番号はたぶん1。戦前から存在する歴史的路線ですが、それゆえ丸ノ内線と同様に標準軌・第三軌条方式と特殊な規格の路線。そんな丸ノ内線とはこっそり線路が繋がっており、銀座線の車両が丸ノ内線の車両基地に居ることもしばしば。編成長は短いですが、それを補う高頻度運転のため利便性は高く、渋谷~銀座~上野~浅草とメジャーどころを押さえている使い勝手の良い路線です。起点が浅草ってのが時代を感じさせますね。
銀座線(G):表参道~渋谷
まずは末端の渋谷駅へ。ここまで中目黒→渋谷を移動するだけなのに大変でした。山手線E235系の斬新な塗装(ドアだけ緑)が一時期話題になりましたが、ホームドア全盛の現在、このように車両をまるごと塗装するのは良いと思いますけどね。
そうこうしているうちに、終点渋谷駅に到着。地下鉄なのに山手線の上にあると有名な銀座線渋谷駅は、当時は山手線外回りにすぐ乗り換えられる便利な(動線的にはすごく邪魔な)位置にありました。ビルに突っ込んだ狭い空間のため、折り返し駅にしては貧弱だった銀座線渋谷駅。降車ホーム-改札と乗車ホーム-改札を分けて配置するなど涙ぐましい努力が見られましたが、リニューアルでようやく普通の駅になった印象です。
銀座線(G):渋谷~浅草
それでは銀座線を始発から終点まで乗り通します。渋谷駅は普通の駅になってしまいましたが、浅草駅は未だに特殊で2つのホームが離れた位置(地下の改札内で繋がっていない)に存在します。そのため浅草行は宇都宮線上野行よろしく到着番線が案内されます。…まあ、1番線と2番線、どっちが良いのかイマイチ分かってないんですけどね。
銀座線(G):浅草~三越前
次は押上駅を目指します。他社との直通運転がないと、車両が単調で面白くないですね。特に銀座線は1000系で統一されてます*10し。正直、浅草~押上なんて歩けばいいのですが、今回はメトロでの移動に拘って。わざわざ三越前まで行って乗り換えます。こんな無駄な動きするのも、一日乗車券の特権ですね。
Z:半蔵門線 (東急田園都市線・・・渋谷~押上・・・東武伊勢崎線)
11号線半蔵門線は、東京都で9番目に開業*11した路線。路線番号はたぶん8。日比谷線とイニシャルが被ったがゆえのZ。混雑激しい銀座線のバイパスになってやるよ!と意気込んだのはいいものの、悲しいかな、直通相手が屈指の混雑路線である東急田園都市線と東武伊勢崎線という……。大混雑っぷりに見合わない貧弱な半蔵門線渋谷駅*12は有名。その反省を活かして副都心線渋谷駅が作られたとか……。
永田町・大手町など、これまた有用なエリアを通って、渋谷~押上(浅草)を銀座線とは異なったルートで結ぶ相補的な関係。特に東側のルートは独自性が強い気がします。
半蔵門線(Z):三越前~押上
東武伊勢崎線は北千住で日比谷線に直通する一方、押上では半蔵門線に乗り入れ、自身は別途浅草にターミナルを持つという、都心方面が3つに分岐する不思議。その中で日比谷線とは異なり、フル規格(20 m級・10両編成)が乗り入れできる半蔵門線。そのためか、急行が直通してくるのが日比谷線との違いでしょうか。まあ半蔵門線内で急行運転はしないのですが、東武車・東急車10両がそれなりのスピードで駆け抜ける姿に、最早地下鉄というより地下短絡線の印象を受けます。まだ半蔵門線は都心部に駅があり、地下鉄としての短距離輸送も担ってますけどね。
半蔵門線(Z):押上~渋谷
そんな押上駅(浅草駅)は6路線*13が乗り入れる東京東部の交通の要所。ですが駅舎がバラバラで結構難しいエリアです。スカイツリーを見上げて首が痛くなったところで、再び東京の地下へ。半蔵門線全線使って一大乗換駅・渋谷へ抜けます。
F:副都心線 (東武東上線・・・和光市~(西武有楽町線・・・)小竹向原~渋谷・・・東急東横線)
13号線副都心線は、東京都で13番目に開業*14した一番若い路線。和光市~小竹向原間は有楽町線と共用しており、小竹向原~新線池袋*15間の専用の複線は一時期有楽町新線と呼ばれていました。東横線渋谷駅の地下移設と共に華々しく全線開業したことは、記憶に新しいです。生まれながらにしてメトロ屈指の…というか関東屈指のカオス路線になることが運命づけられた路線でしょう。
そんな副都心線はメトロとしては異端児で、地下鉄というより短絡線としての性格が強く、待避設備*16を作ってまで急行運転を行うという気合いの入りよう。東横線と一体的に整備されたからか東横線の延長区間のような感もあり、渋谷駅まで逃げ切った急行(副都心線内各停)が東横特急(副都心線内急行)に東新宿駅で抜かれるパターンがそれを印象づけます。北は東武東上線・西武池袋線を、南は東急東横線と更には相鉄線とを、池袋・新宿・渋谷といった副都心エリアを介して直結させ新たな人の流れを作り出したその姿は正に私鉄界の湘南新宿ライン。ダイヤがすぐ乱れるところも湘南新宿ライン。新横浜駅まで伸びて更なる需要開拓が期待される路線ですが、ちなみに池袋~新宿~渋谷は乗り換えの手間を考えないならJRの方が安いです。
Fライナー急行:渋谷~和光市
東横線-副都心線渋谷駅を地下化したおかげで、田園都市線-半蔵門線とは改札内で乗り換え可能。ですが、改札内が結構広く、東横線ホームはかなり地下深くなので乗り換え時間は意外とかかります。近未来的なデザインで目が奪われますが、高速エスカレーターも設けられており足元にはご注意。訪ねる度に動線が変わる自動生成ダンジョンとして有名な*17渋谷駅ですが、路面にこれでもかと案内がペイントされているので、難易度としては新宿の方が高い印象。田園都市線の反省を活かしたのか東横線ホームは2面4線であり、緩急接続を行う合理的な設計です。
そんな地下ホームまで降り立ち、乗車するのはFライナー。副都心線内急行の列車の中でも、東横特急-西武線快速急行・東武線快速急行*18と、直通先でも最上位種別を維持する列車のみに冠されるぼくのかんがえたさいきょうのでんしゃです。種別がカオスになりがちな私鉄間直通列車において、「とりあえずこれに乗れば一番速い」と分かりやすい実用的なシステムだと思います。最速列車なだけあってか、渋谷・新宿三丁目・池袋と人の入れ替わりはあるものの日中でもそれなりの混雑でした。流石に池袋以北は東武池袋・西武池袋を利用するのが大半なので、新たな乗客は限定的でしたが。
Y:有楽町線 (東武東上線・・・和光市~(西武有楽町線・・・)小竹向原~新木場)
8号線有楽町線は、東京都で8番目に開業*19した路線。路線番号はたぶん7。前述の通り和光市~小竹向原間は副都心線と共用している一方、小竹向原~池袋は副都心線と併走(?)する複々線区間となっており、和光市・西武線方面と有楽町線・副都心線の4方向全てに分岐する小竹向原駅は屈指のカオス駅として有名です。
基本的に優等列車は副都心線に流れる上、単独駅も多く、大きな駅といっても池袋・飯田橋・永田町くらいでどことなく寂しさ漂う路線。日中の本数の少なさ(6分間隔)がより一層寂しさに拍車をかけます。しかも池袋駅も丸ノ内線・副都心線とは改札内で繋がっていないハブられっぷり*20。しかし実は非営業ながら南北線*21・千代田線*22との連絡線が存在し、更に半蔵門線と繋ぐ計画*23もあるなど、他路線との繋がりが強い路線です。近年では有料座席指定列車S-TRAINが運行されるなど先進的な面も魅力的…かも。
有楽町線(Y):和光市~新木場
東京メトロの越境区間、和光市駅*24から有楽町線の旅へ。といってもすぐ地下に潜りますし、かの小竹向原も地下なので配線は見づらく、その後はこれといった見所もありません。地下鉄ですからね。と思っていると終点直前にはぐんぐん登り、地上に出ると視界に海(運河)が飛び込みます。そのまま高架になって終点新木場駅に到着。メトロでは珍しい直通の無い単独終着駅・地上駅です。同じ駅舎となっているため乗り換え客も多く、日比谷線と共に東京駅の不便な京葉線客を救助しています。
有楽町線(Y):新木場~永田町
一度改札外に出て新鮮な空気を補給すると、再度有楽町線へ。全線制覇したので次は永田町で乗り換えます。
N:南北線 (東急目黒線・・・目黒~白金高輪~赤羽岩淵・・・埼玉高速鉄道)
7号線南北線は、東京都で11番目に開業*25した路線。路線番号はたぶん9。フルスクリーンホームドアで線路とホームが完全に遮断されているのが最大の特徴でしょうか。いずれはゆりかもめみたいに運転士無しの自動運転をするのかも?もう一つ、目黒~白金高輪で都営三田線と線路を共用しているのも特徴的で、目黒から東急目黒線・新横浜線を介して相鉄にまで足を伸ばすようになってカオス度合いが急成長の路線です。その一方で日中は6分間隔・6両編成も存在するなど、地下の深さも相まって寂しさが強烈な路線。ただ白金高輪~品川延伸や、直通先の埼玉高額高速鉄道の延伸計画が動き出すなど、伸びしろがたくさんあると言えるでしょう。
南北線(N):永田町~目黒
まずは目黒駅まで。一部は白金高輪止まりなので見極めが肝心です。
南北線(N):目黒~飯田橋
目黒駅は東急管轄なのか、「東急の駅」といった印象。車両も相まってメトロ・都営感はあまりありません。ホームドアもスクリーンタイプではないですしね。という訳で南北線を引き返します。都合により、南北線は飯田橋で分割します。以前にも通しで乗ったことありますし…。
T:東西線 (JR中央総武緩行線・・・中野~西船橋・・・JR中央総武緩行線・東葉高速鉄道)
5号線東西線は、東京都で5番目に開業*26した路線。路線番号はたぶん5。混雑激しいJR中央総武緩行線のバイパスになってやるよ!と意気込んで建設したものの、巨大な需要を開拓し過ぎて首都圏屈指の混雑路線になってしまった悲しき路線。東京メトロは需要喚起が上手なようで……。混雑しすぎてワイドドア車両を導入しているのも特徴。バイパスを目指すだけあってか、津田沼~三鷹(東西線経由)という両端で中央総武緩行線に直通する不思議な列車も、通勤時間帯には設定されています(日中は基本的に東側では東葉高額高速直通)。
しかし本路線一番の特徴はやはり、東側の東京でもメトロでもない区間とそこでの快速運転でしょう。千葉県内まで越境して建設された、京葉線さながらの高架区間を快速運転する姿は圧巻の一言。高速運転*27するためにガチで作られた待避駅の構造は、メトロというより普通の私鉄の様相を呈しています。むしろこっちが東葉高速鉄道では??
東西線(T):飯田橋~中野
まずはメトロ車で中野駅へ。落合を出ると地上へ登り、あっという間にメトロというよりJRの風景になるのが不思議な感覚です。この先の荻窪まで行けば丸ノ内線に会えますが、JR区間になってしまうので一日乗車券では乗れません。
東西線(T)快速:中野~西船橋
続いては中野から、東西線名物快速に乗車します。時刻は17時過ぎ、東西線経由の津田沼行が運転され、しかも車両はJR車という何が何だか分からない状態です。見慣れた車内電光掲示板が、一層JRだと錯覚させてきます。ちなみに、これに乗って西船橋以東*28まで乗るとJR経由扱いで運賃が計算されます。何が何だか。
東西線(T)快速:西船橋~飯田橋
西船橋から再び東西線で折り返して飯田橋へ。乗ってみて思うのは、快速区間は高速だし車窓もあるしで、体感距離として短く思えること。一方地下区間は距離としてはそれほど長くないはずですが、車窓も退屈で長く感じられました。まあ、毎日乗って通勤するようになると話は別なんでしょうけど……。
南北線(N):飯田橋~赤羽岩淵
それでは南北線の乗り残した区間を。飯田橋から更に北上して南北線の終点赤羽岩淵駅へ。列車はそのまま埼玉高速鉄道(SR)に直通して鳩ヶ谷・浦和美園まで行きますが、それはまたの機会に。歩けないことは無いので、赤羽岩淵からJR赤羽駅まで歩いて今回の旅は終了になります。
おわりに
流石は日本の首都、東京。多くの地下鉄網が張り巡らされ、それぞれの路線が特色ある路線でした。
そんな東京メトロを全線乗り通してみて思ったのは、「東京って意外と狭いな」と。メトロの終着駅は東京の果て(東京都ですらないこともありますが)のような印象がありますが、基本全線乗り通しても40~50分程なので「都心部から40分で行ける」となると思ったより近く感じます。
そしてメトロでの距離感は、JRとは全く違うというところが新鮮でした。例えば池袋~東京とか山手線基準だと凄く遠く思えますが、丸ノ内線だと一瞬ですからね。逆にメトロ基準だと品川とか目黒・恵比寿とかが遠い地のように思えます。「丸い緑の山手線」を基本とするJR路線図で描かれていた東京の地図が、実際にメトロで移動することで書き換わっていく感覚は面白かったです。
というわけで、東京の人もそうでない人も、メトロ一日乗車券で東京を巡ってみるというのも、ちょっとした面白い旅になると思います。
あまり観光・景色の話などはありませんでしたが、今回もお読み頂きありがとうございました。