初稿: 2024/1/13
2023年12月26日
イントロダクション
2022年12月、西日本は「サイコロきっぷ」で盛り上がっている頃、JR東日本は「どこかにビューーン！」なる企画をはじめました。
JR東日本管内の新幹線の駅がランダム*1に4駅が提示され(以下「駅セット」と呼ぶ)、購入するとその候補の駅の中からランダムに目的地が決まるというもの。完全に運任せのくじだけではなく、駅セットのリセマラ要素もあるというなかなか奥深いゲームです。安中榛名から北は新青森・秋田まで、幅広く駅セットに選ばれうるロマンのあるくじになっています。JR東日本限定なので、金沢や新函館北斗には行けないのは残念ですが…。支払いはJREポイント(6000ポイント)限定ですが、秋田とか通常価格だと36000円程(往復)なので、当たればかなりオトクになります。ちなみに通常価格が6000円以下のところは出てこないので、損することはありません。ご安心を。まあ、詳しいルールは上記の公式サイトをご参照ください。
「くじで行き先が決まる」という点ではサイコロきっぷと似ているものの、その実、性格は異なるものとなっています。以下、何点か相違点を列挙してみます。
サイコロきっぷを使ってみた際の記事はこちら
- 目的地候補が多い
サイコロきっぷは(セレクトされた)6(+1)駅の候補の中から抽選ですが、どこかにビューーンはJR東日本管内の新幹線駅ほぼ全て(47駅)が行先となり得ます。そのため、観光地とは程遠い単独駅*2が行先となることも……。 - 駅セット(くじ)を(ある程度)選べる
どこかにビューーンの場合、実際にくじの対象となるのは提示された候補駅4駅のみです。そしてこの候補駅の組み合わせは(運ゲーですが)変えることはできます。ただし「買うかリセットして次の駅セットを見るか」の2択なので、「前回の駅セットの方がマシだったからそっちを買う」ということはできません。このリセマラをどこで妥協するか、が腕の見せ所で、くじの選び方にも個性が出るといえます。この点、誰が買っても同じくじ(駅セット)となるサイコロきっぷとは対照的です。 - 列車の自由度がない
どこかにビューーンでは、目的地決定と同時に往復の列車も指定されます*3。購入前に(駅セット表示前に)ある程度出発・到着時間帯を選択できますが、かなり大雑把な選択肢*4なので、乗る列車を指定することは不可能です。この点、自分で指定券を取る方式のサイコロきっぷとは異なります。個人的にはこの差が一番大きいと感じました。ポジティブには、目的地が決まった時点で座席が確保されているとも言えますが。 - 発売時期に制限がない
サイコロきっぷと異なり、どこかにビューーンは年中発売しています。そのため利用期間の自由度は高いと言えるでしょう。まあ最繁忙期にやったら、駅セットにロクな候補駅が提示されない気がしますが。 - 発売期間が直前
申込(エントリー)可能期間は往路出発日の21日前から6日前まで。そして行先が決まるのは申込日の1～3日後。つまり目的地が決まってから実際に旅行するまでの準備期間は長くて20日ほど。この20日間で現地での旅程を決め、宿を手配しないといけません。特に、直前にならないと宿が押さえられず、宿泊先の選択肢が狭まることになります。 - 下車前途無効
サイコロきっぷは(向こうが指定した)一部の駅のみ、近傍の大きな駅での途中下車が認められていましたが、どこかにビューーンではそんな配慮はありません。とはいえ途中下車(乗車)すると、そこで切符の効力が切れるだけであって、「行きたくない駅を引いたらその手前の駅で降りてその先は放棄する」ことは可能です。
総じてどこかにビューーンの方が自由度が高く(いろいろ選択させられるため)、玄人向けという印象です。「即興で旅程を立てる」楽しさを見出せる人にはピッタリです。
申込時の手順
いろいろルールのあるどこかにビューーン、最大限楽しむには次のようなことを考慮しなければならないと私は考えました。
- 出発駅(東京・上野・大宮)に必ず辿り着ける(帰れる)時間帯を確認する
時間帯はかなり大雑把にしか指定できないので、辿り着くことが可能かどうかは事前に調べておくべきです。 - 候補駅のブラックリストを決めておく
駅セットは一期一会なので、比較的良さそうなセットに出会えた時点で妥協すべきです。逆に、「この駅が含まれていたら絶対申し込まない」という駅は決めておくべきでしょう。最終的には4択の運ゲーなので、避けられるハズレは避けておくべきです。強気に出て安中榛名を引いた人は、調べれば結構出てきます。 - 各方面の新幹線(東北・秋田・山形・上越・北陸)で大まかに行きたいところ・したいことを決めておく
基本的に各方面の新幹線から1駅ずつ選ばれてくるので、事前にやりたいことを決めておけば「候補駅全てでやりたいことがある」という駅セットが出てくるはずです。その駅セットに申し込みましょう。
といった感じでしょうか。まあ人によって価値観は様々だと思うので、参考程度に。
19:40 申し込んでみた
という訳で、実際に申し込んでみました。
途中「上越妙高」「新潟」「山形」「七戸十和田」みたいな駅セット(うろ覚え)が出てきて、そこで妥協しておけばよかったんですが、欲目が出てしまいリセマラ続行。その後は「上毛高原」「白石蔵王」みたいな駅セットばかり出てくる中、150回ほど回してようやく琴線に触れる駅セットが……！
ということで、このセットに申し込んでみました。候補駅をザッと見て旅程を軽く想像。北上だったら北上線で横手宿泊→奥羽本線・田沢湖線で一周かな。飯山だったら「おいこっと」にでも乗るとしましょう。秋田なら五能線、新青森ならストーブ列車も良いですね。うん、どれを引いても楽しそう。
2023年12月27日14:15
えきねっとから「行き先決定」のメールが届きました。早速行き先を確認して、宿を確保します。4駅の候補それぞれに(ぼんやりとは)旅程を決めてあったので、すぐに宿を押さえることができました。それでも安いところは埋まってましたが。
2024年1月13日06:30
という訳で、こんな時間から東京駅に来ています。この時間の新幹線を割り当てられたからです。やはり早朝の新幹線は空いているのでしょうか。とはいえ、駅はにぎわっており、スキーヤーも多いです。それでは、登録したSuicaを新幹線改札にタッチして。行ってきます。
以下につづく。
