ぼくとー旅行記

どんなに些細な距離であっても、非日常がそこにあるならそれは旅行である。

とえいとりっぷ

初稿: 2023/05/27

 本ブログの方向性を決定づけるため、2本目の記事はこちら。

 

2022年4月10日 (D1)

都バス王78系統:王子駅前(0940)~新宿駅西口(1040)

 本日の旅はここ、東京都北区王子から。大きいのやら小さいのやら微妙な駅です。東北線は通過するし……。

 それでは早速乗り込みましょう。まずは都バスで新宿駅西口行

着いたのは発車2分前なのでロクに写真も撮らずに乗り込みます

 実はこの王78系統、知る人ぞ知る都バス最長路線(23区内)なのです。にしては結構乗りやすいところを走っているし、なら完乗してみようというのが今回の目的その1。

 運転手さんから「都営まるごときっぷ」を購入していざ出発。

 本路線は王子を出ると環七(環状7号線)に入り、ぐるっと回って、高円寺から再び内側に入って新宿を目指します。人は居るのに鉄道は通ってない環七沿いを走るだけあって、そりゃある程度需要はあるよな、って路線です。

 逆に、あくまで放射状に伸びる大動脈を環状に結ぶだけの路線なので、全線通しで乗る人は武蔵野線を完乗する人並みの変態ということになります。

 実際に乗ってみると、環七に入ると混み始め、板橋を過ぎる頃には満席になりました。しかしやはりというか、基本的に短区間の乗車が多く、駅に着く度に乗客が入れ替わる、という感じです。

 ええ、通しで乗る変態はいませんでしたね。残当

 そんなこんなでバスは高円寺から環七の内側へと曲がると、新宿へ向かっていきます。この区間は並行する鉄道もあるからか、もう乗客は増えず降りていく一方です。

 徐々に街道沿いのビルの高さが高くなっていって、新宿副都心の接近を肌で感じます。なんか田舎者みたいな感想ですね……。

 結局、約一時間かけて新宿へ到着。都バスにしては長旅でした。

 王子~新宿は鉄道を使っても乗り換え必須で20~30分かかるので、乗り換え無しで行けるバスを使うのもアリ…かもしれません。いや、使ってる人居なかったからナシなのか。

 ただまあ、王子~新宿で環七を通れる不思議なルートであることは間違いないので、一度くらいは経験してみるのをオススメします。JRでは作業ゲーな距離でも、都バスで行けばちょっとした小旅行気分を味わえることでしょう。

終点新宿でバスを見送る
都バス早77系統:新宿駅西口~早稲田

 続いて早77系統で早稲田を目指します。山手線の内側を、山手線に沿って北上していきます。

 思いの外乗り継ぎが上手くいかず、少し待たされましたが、それでも圧倒的な本数。地方のバスじゃ考えられない程度の待ち時間しかありませんでした。

早77系統早稲田行

 しかし新宿駅はよく使いますが、地上?2階?のバス停は初めて使いました。不思議な気分。構造に迷ってなかなか狙いのバス停にたどり着けなかったのは秘密です。

 通学用のバス…と思いきや土日も普通に走っているようで。車内は気持ち空いていたような気がしましたが、平日と比較していないので分かりません。

都電荒川線:早稲田~三ノ輪橋

道路のど真ん中に突如現れる駅

 早稲田からは、東京に残る路面電車こと都電荒川線に乗っていきます。かつてはもっと色んな路線があったそうですが、今や荒川線を残すのみです。むしろ荒川線だけでも残っているのは奇跡でしょう。

 まあ、ただでさえ混んでる大都会東京の道路上に路面電車なんかあったら邪魔で仕方ないですからね。大阪も福岡も京都も、似たような理由で消されていったそうです。都会で路面電車が残っているのは、札幌・広島くらいでしょうか。(ここで熊本・岡山民に刺される)

道路上を走る荒川線(20180329撮影)

 この路面電車の軌道に自動車が入っていいのか否か(上の写真の歩道橋にある標識の意味)は、そもそも全国的に路面電車のある道路を運転する機会が少ないだけあって覚えてる人は多くはないでしょう。自動車学校で教わりはするものの、使わない知識トップ10には入ると思います。安全地帯の標識とか滅多に見ないし。おかげで新規に路面電車が誕生する宇都宮市では交通ルールの周知が大変なんだとか。

道路の真ん中で給電するために、空中に張り巡らされた架線が大好きです(20180329)

 都電荒川線は山手線・京浜東北線などと交わりながら、早稲田と三ノ輪橋を結びます。路面電車と言いながら大部分は専用軌道な訳ですが、それでも主要駅では道路上に出てロータリー付近まで入り込めるのは路面電車の強みです。途中で乗換駅が多いことから乗客の入れ替わりは激しいですが、混雑する区間は結構満員になります。特に大塚付近とかはまず座れないでしょう。

 乗客も高齢者や子連れなどが多く、「地元の足」という路線……なのですが、路面電車が都会では珍しいことから、観光客の姿も見られ、大繁盛です。

 鉄道の特性を活かして、「足」たる路線バスが数分間隔で運行されている、と考えればその利便性の高さは想像に難くありません。その高頻度運転でなお車内は混雑しているのですから、本路線の需要の高さが覗えます。そりゃすぐには廃止にできませんよね。でも運転士の数もたくさん必要で人件費も嵩むでしょうから、そんなに黒字ではないのかも……?

終点三ノ輪橋駅では降車と乗車ホームが分かれている

 流石に王子を過ぎると乗客は徐々に減っていき、終点三ノ輪橋に到着です。

味のある看板

 三ノ輪橋駅周辺はレトロな作りになっており、これまた「昭和」な感じの商店街が出迎えてくれるため、味のある空間になっています。路面電車のレトロ感も相まって、タイムスリップしたかのよう!都電乗ったら一度三ノ輪橋駅まで乗るのをオススメします。

都電荒川線三ノ輪橋熊野前

 それでは再度都電に乗って、熊野前まで引き返します。

すぐ次の電車が来る

 熊野前は本当にバス停のよう、というかただの交差点です。乗り換え先の日暮里舎人ライナーは頭上にあるのですが、どこから登ればいいのか、少し迷います。まあちょっと見回せば分かるとは思いますが。

日暮里・舎人ライナー熊野前舎人公園

 続いて都が誇る新交通システム、日暮里舎人ライナーに乗ってみます。

 実は都民ながら、これに乗るのは初めてでして……。気づいたら車両更新してました。まあ意図して乗らない限り、そうそう用事のある区間を通ってないですから。

 無人運転は物珍しい…とはいえ東京にはゆりかもめがありますからね。景色もゆりかもめの方が良いですし。それでも高度のあるところをそこそこのスピードで走り抜けるので気持ちは良いです。感想としては、東京モノレールの方が近いかも?

 そして都内有数の大型公園こと、舎人公園に寄ってみます。ちょうどお散歩するには心地良い(少し暑い?)陽気でした。

 道芸やってる人がいたり、子供連れがレジャーシート敷いてピクニックしていたり、コロナ禍に屋外で休日を過ごすには絶好のスポットです。天気も良いし。

 そして園内には水辺があり、水鳥の聖地でもあります。鳥好きの私としてはついついテンションが上がってしまいますね。

鴨が水上で気持ちよさそう

鵜も居ます

 芝生の上を公園の鳩のノリで鴨が歩いていて、なかなか面白い空間です。幼児が鴨を追いかける微笑ましい光景も見られました。のどかでとても23区内とは思えない、良い公園ですね。

おひるねカモさん
日暮里・舎人ライナー見沼代親水公園~日暮里

 舎人公園は日暮里舎人ライナーの終点ではなく、あくまで途中駅。実はもう一駅「見沼代親水公園駅」があります。なので末端まで歩いていきます。舎人公園の端まで歩くだけで、中間地点くらいまでは来てますからね。せっかくなので、親水公園にも寄ってみましょう。

親水公園。真ん中に小川が流れてます。

 あれ、舎人公園よりだいぶしょぼくない…?

 川面を桜の花びらが彩っており、ちゃんとした桜のシーズンや紅葉の時期は綺麗なんだと思います。からくれなゐに水くくるとは。

 それでは舎人ライナーの端から端まで乗っていきます。

舎人ライナーの末端

 運転士も車掌も居ないので前面(後面)展望もバッチリです。「もうちょっと伸びろよ」とよく言われますけど、この先は都外なので……。

 という訳で日暮里まで戻ってきました。良い感じの都バスがあれば乗ってもよかったんですが、今回の旅はこれにて終了です!

 

おわりに

 以上、今回はこちらの「都営まるごときっぷ」で東京都交通局の乗り物を満喫しました。(地下鉄は以前乗ったことがあるので今回は割愛。)

www.kotsu.metro.tokyo.jp

 バス・路面電車・地下鉄(標準軌馬車軌狭軌)・新交通システム・そして以前は懸垂式モノレールと様々な形態を取り揃えている東京都交通局。一日乗車券でその色々なタイプの乗り物を満喫するというのも楽しいと思います。たくさん種類があって整備は大変そうだけど…。

 機会があれば、気の向くままに都バスで旅をする、とかも面白そうですね。いつかやってみたいです。

 

 それでは今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。