ぼくとー旅行記

どんなに些細な距離であっても、非日常がそこにあるならそれは旅行である。

サイコロの旅、サイコーの旅。

初稿: 2023/05/28

 2022年7月。JR西日本が驚愕の切符の発売を発表しました。その名も「サイコロきっぷ」。

 大阪発の往復5000円で行き先はガチャで決まるというもの。提供割合は東舞鶴(1/6), 白浜(1/6), 餘部(1/6), 倉敷(1/6), 芦原温泉(1/6), 尾道(5/36), 博多(1/36)です(割引率の低い順)。なんと面白そうじゃありませんか。山陽線沿いはともかく、行ったことの無い場所だらけなので、どれも引いても当たりです。てな訳で、早速購入してみました!

 白浜引いたらオーシャンアロー乗りたいな、万一博多なんか出ちゃったら、西九州新幹線開業前にかもめ(在来線)でも乗り納めしてこようか…と取らぬ狸の皮算用をして、いざ、ルーレット!倉敷は嫌だ倉敷は嫌だ倉敷は嫌だ…。

芦原温泉

やったー!

 出たのはSR芦原温泉。割引率62.6%とかなり上位のアタリ切符です。でも芦原温泉ってどこだ…?ふむ、福井県?上等だ。まだ訪れたことのない県なので願ったり叶ったりです。かなり良い行き先を引けたんじゃないでしょうか。

 この時点で「サンダーバード区間乗りたいな」「せっかくだから芦原温泉に泊まろう」などと頭がどんどん回転していきます。こうやって旅程の案を出していく過程、楽しいですよね。

 後発の東の「どこかにビューーン!」と比較して、行き先が決まってからの時間的猶予がかなりあるのが本切符の最大のアドバンテージ。旅程を構築する楽しみをじっくり味わうことができます。直前だと良い宿押えられないですしね。

 それでは、存分に準備をして、いざ……。

2022年10月8日 (D1)

東京特急ニュースター号:王子駅(2145)~大阪駅(0555)

 サイコロきっぷは西日本の切符なので、スタート地点は大阪市内。なのでまず大阪まで移動しないといけません。限界旅程上、大阪駅に早朝に着いておきたいので、今回はこちらの夜行バスを利用することとしました。

www.osakabus.jp

 

夜の王子駅に現れた白い車体

 王子駅というよくわからんところを始発に、東京駅を通って翌早朝に京都・大阪(・東大阪永和)に停車するこちらの夜行バス。せっかくなので始発から乗ってみます。

 3列独立・トイレ付きと快適な車内なのに、1ヶ月前に割引運賃に予約しておけば片道5000円強と破格のバスです。

流石に始発から乗る人はほとんどいません

 割引運賃は中列しか選択できなかったのですが、当日空きがあるとのことで窓側に変更してくれました。こういう心遣いがありがたく、嬉しいですね。

 途中休憩でSAに寄るのですが、東京駅を出たら爆睡していて、結局起きませんでした。それだけ快適なバスということです。もっと流行れ。いや、流行ると予約取れなくなるからな……。

 唯一難点といえば、大阪到着約1時間前に京都到着のアナウンスが入ること。こればっかりは仕方ないのですが、京都到着は5時前なのでちょっと厳しいですね。これもあるので、東京駅出たらすぐ眠っておくことをオススメします。 

 一応保険に早めに着くようにしていたのですが、バスは5:40頃に大阪駅に到着。まだ駅に人影はほとんどありません。とりあえず、朝食を摂ることにしましょう。行こうと思っていたカフェは臨時休業でした。

堂々たる金沢行。この表示も何時までか

2022年10月9日

サンダーバード3号:大阪(0700)~金沢(0938)

 まず最初に乗るのはサンダーバード3号。芦原温泉とかも通過する、速達タイプの列車です。サイコロきっぷは福井駅でのみ途中下車が認められているので、特急券福井駅までで引き換えます。

サイコロきっぷは福井まで

 が、サンダーバード区間を通しで乗りたい欲求に勝てず、福井~金沢の乗車券・指定席特急券(eきっぷ)を追加購入(計2540円)。この時点でサイコロきっぷの半額、追加してるんですが…?ちなみに、このためだけにJ-WEST CARDを作りました。eきっぷ等割引きっぷが買えるようになる上、年会費もかからないので、鉄道旅行者にはオススメのカードです。

 それでは切符を発券して、いざ大阪駅改札内へ!サイコロきっぷはJR西管内でしか発券できないのでご注意を。

Thunderbirds Are GO

 チッ、683貫通顔かよ。サンダーバードといえばあのカッコイイ非貫通顔なので少し残念です。なんかリニューアル後は500系新幹線みたいな側面塗装ですね。

座席の写真ってどうやれば上手く撮れるんだろう

 緊急事態宣言が解除されてからの連休だからか、車内は大混雑。指定席はほぼ満席です。2人掛けで隣に知らない人が金沢まで相席でした。流石は屈指のドル箱特急。

 福井で一部降りましたが、大部分が金沢まで乗車。つまりかなりの人数が敦賀以遠まで乗り通すことになります。とするとほぼ特急一編成分の人数が一斉に敦賀で新幹線に乗り換えることになる訳で……しかも対面乗り換えではないときた。エスカレーターとか動線がえらいことになる気がするんですが……?本当に北陸新幹線延伸後は大丈夫なんでしょうか??

 東京~福井が直通して喜ぶ人より、大阪~金沢が分断されて困る人の方が多い気がしますけど。せめて大阪~福井は一本で行ければまだマシだったと思うんですけどね…。と、今後の新幹線に少し文句を言ってしまいました。すみません。北海道新幹線とかは(貨物の問題を抜きにすれば)期待してるんですけどね。とはいえ福井は東京と一本で繋がることにかなり期待しているみたいなので、水を差すのは止しときましょうか。

湖西線から望む朝の琵琶湖は絶景

 「これぞ特急」という快足ぶりを発揮して、約2時間40分で金沢に到着。車内販売は無いので飲み物の確保にご注意下さい。廃止前に、屈指の在来線特急を満喫できて満足です。

反対側まで回ってみましたが、やっぱり貫通顔でした

 流石金沢というべきか、観光客で賑わっていて、特に駅から観光地へ向かう路線バス乗り場は大混雑でした。

金沢駅といえば
しらさぎ58号:金沢(1048)~福井(1135)

 今回の目的地は金沢ではないので、駅ナカで日本酒の有料試飲を嗜んだら早々に撤収させて頂きます。

やったー!非貫通顔だー!

 金沢駅ホームで待っているとしらさぎ号が入線。コイツも存続が危ぶまれている列車です。まあ、敦賀~名古屋はともかく、敦賀米原で特急には乗らんわな。

この車番にピンときたら110番

 やって来たのはなんと683系8000番台。

 そう、かつて伝説の赤き衣を身に纏い、狭軌最速で駆け抜けた、唯一のはくたか仕様の683系です!まさかこんな所で出会えるとは。

 という訳で追加で課金しておいた切符を金沢駅で発券して、福井に戻ります。

北陸おでかけパス

さらなる課金

 さて、ここから頼りになるのはこの「北陸おでかけパス」(2580円)。長浜~直江津の北陸エリアの在来線(&第三セクター)に一日乗り放題になるお得なきっぷです(現在は「北陸おでかけtabiwaパス」に変更)。並行在来線が分離された今、北陸を抜ける際の18きっぷ代わりに使う人も多いとか。

 ただフリーエリア内でないと発券できないという困ったちゃんでして、冷静に考えれば福井駅で発券しておけば福井~金沢の乗車券(1340円)は不要だったのですが、サンダーバード区間を通しで乗りたい欲求に勝てず、泣く泣く金沢駅での発券とします。それでも元は取れるんですけどね。というか福井~金沢往復で元取れるのおかしいでしょ。

 あとは特急券+780円課金して、グリーン車にしてしまいました。この時間のしらさぎということもあって、車内に誰も居ません。この贅沢な空間を独り占めです。なおこの時点で課金額がサイコロきっぷを超えています。

しらさぎグリーン車

贅沢な2+1配置

 さてこの683系のグリーン車、昨今の都会の特急グリーンとは違い贅沢にも2+1の座席配置です。輸送力が求められる東京の特急と単純な比較はできないと思いますが、これは十分グリーン料金を課金する価値があると思います。めちゃくちゃ快適です。

 広々ふかふかな座席が、夜バス明けの身体にスーッと効いてきて……。

 気がついたらあっという間に福井駅でした。小一時間の旅、ずいぶんと快適に移動させてもらいました。

福井駅は絶賛工事中

 という訳で、寄り道してしまいましたが福井駅に到着。

 少し早いですが、次の予定が決まっているので早めのお昼ご飯としましょう。

出汁につけるのではなくかけるのが越前そば流

 こちらは駅ナカで入った越前そば。大食いだから2人分頼んだのではなく、2枚出てくるのがこの店のデフォルトのようです。
 大根おろしの入った出汁を蕎麦つゆのようにして漬けながら食べる……のではなく、皿に盛ったそばに直接かけるのが越前そばの食べ方とのこと。なので大盛りだとそばが伸びちゃうから、2枚の皿に分けてくれているという配慮だそうです。

 お味は……とても美味しい大根おろしや麺が堅めなこともあって、さっぱりとした味わい。そういえば、新潟のへぎそばもおいしかったし、北陸は蕎麦が旨いんか?

越美北線:福井(1250)~九頭竜湖(1422)

 一日乗車券もあることですし、日本屈指のローカル線こと越美北線に乗ってみます。時間に追われていたのはこのためでして、これを逃すと次は4時間後です。

奥まったところで待っています。乗り換え時間は余裕を持って。

 レールバスみのあるキハ120形を見ると、「ああ、ヤバいな」と身構えますね。とはいえ本数が少ないからか、車内は意外と混雑していました。座席は全て埋まる程です。

 日本史選択者なら聞いたことのあるであろう「一乗谷」ってこの辺にあるんだ~とか思いながら、列車はどんどん人里離れていき越前大野駅に到着します。越美北線最後の人里といった感じで、大部分の人が降りていきます。というか、この先まで乗っているのはほとんど特殊な方々でしょう。ごく稀にハイキング客?も居ましたが。

車窓に広がる雄大な自然

 越前大野より先は秘境です。どれくらい秘境かというと携帯の電波が入らないレベルです。そんな区間をいわゆる「必殺徐行」も交えながら、気動車は進んでいきます。南に行くほど田舎になるっていうのが、日本海側の慣れないところですね。生憎の雨模様ですが、車窓には美しい山の景色が広がります。

雨の九頭竜湖駅

 そんなこんなで、終点九頭竜湖駅。思ったよりはちゃんとした駅舎です。近くにファミリーマートもあるので安心です。九頭竜湖は近くにはありません。

 ちなみに九頭竜湖駅では窓口に言うと「到着証明書」を発行して貰えます。せっかく来たのなら、是非貰いましょう。

九頭竜湖駅の到着証明書

実績解除:九頭竜湖駅を訪れた

 「越美北線」があるのなら「越美南線」もあるのか?という話で実際にあるのですが、その2つは繋がってはいません。当初は繋いで文字通り「越前」と「美濃」を結ぶ予定だったというのだから驚きです。この九頭竜湖よりさらに先(秘境)へ伸ばすつもりだというのか?当然採算が取れるはずもなく計画は凍結され、現在のように「越」と「美」に分断されているということです。プロはバス(事前予約制)や徒歩を駆使して山を抜け、越美を結ぶルートを採るらしいですが、僕はやめておきます。

越美北線九頭竜湖(1432)~福井(1603)

 滞在時間10分ですが、こんなところに取り残される前にさっさと折り返して福井に戻りましょう。乗客は、行きも見たような面子です。

乗ってきた車両でそのまま折り返す

 結構景色はいいし、旅情はあって良い路線だとは思います。ただ、一度は乗ってみたいとは思うものの、二度乗るか?というと微妙な辺り、廃線の2文字がちらついてしまいます。

電車を見ると安心します
えちぜん鉄道三国芦原線:福井~あわら湯のまち

えちぜん鉄道福井駅

イクラでとってつけたような駅

 さてここから、えちぜん鉄道に乗って芦原温泉を目指します。よくある話ですが、JR芦原温泉駅芦原温泉の最寄り駅ではなく、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅が最寄りとなります。ちなみに、えちぜん鉄道の公式の略称は「えち鉄」らしいですね。ふーん、エッチじゃん。

駅メモのパネルがお出迎え。最近始めた私にはタイムリ

 駅窓口で「あわら温泉宿泊フリーきっぷ」を購入します。1枚2000円で2日間有効とこれだけでは通常の一日乗車券(1000円)と変りませんが、対象の芦原温泉の宿泊施設では1000円キャッシュバックされるため、実質1000円で2日使えるという非常にお得なもの。…なのですが、今回は更に福井県補助金により1500円で発売と実質半額で利用できるようになっていました。これはラッキー。対象の宿泊施設なので使わない手はありません。

えちぜん鉄道

地域住民の大切な足

 えちぜん鉄道自体は、よくある地方のローカル私鉄という感じ。変っているのは(一部列車には)アテンダントさんが乗務していて切符の発売や案内などをしている点。小さな子供に話しかけたり、不慣れな年寄りを手伝ってあげていたり、地域の人と良好な関係を築いています。Wikiを読むと、色々大変だったんだなーと思います。

 

 さて、本日泊まるのはこちらの美松さん。駅から少し歩きます。時刻は五時半、だいぶ日も暮れてきました。

あわら温泉 美松(翌朝撮影)

 素泊まりですが一泊8500円と割とお手頃価格だと思います。まあビジホよりは贅沢だけど、せっかくだから温泉宿に泊まりたいじゃん?

泊まった和室

えっ、こんな部屋を独り占めして良いんですか??

 しかし、愚かな私は思ってしまいました。「福井といえば東尋坊か」と。

えちぜん鉄道三国芦原線:あわら湯のまち~三国港

午後六時半、雨降るあわら湯のまち駅

 という訳で終点の三国港駅まで乗っていきます。この三国港駅東尋坊の最寄り駅。でもね、徒歩で気軽に行けるような距離ではないの。

夜の日本海

 外灯も少なく、それこそ日本海は飲み込まれるような暗闇です。こんなところを雨の中、一人でトボトボ歩くのは怖すぎるし、どれくらい歩けばたどり着けるのかも検討つきません。でも、本当に怖かったのは道中すれ違った自動車のドライバーだったと思います。だってこの先にあるのは東尋坊ですから

 結局、途中で諦めて引き返すことにしました。皆さんはちゃんとバスのある時間に行きましょう。

えちぜん鉄道三国芦原線三国港~あわら湯のまち

明るいのは電車だけ

 ささ、早くあわら湯のまちに戻りましょう。こんな写真撮ってたら側溝に落ちて靴がびしょびしょだし。

 という訳で芦原温泉に戻ってきました。が、ここでも一つ誤算が。駅前には「湯けむり横町」という飲食店街があり、そこで晩御飯を食べようと思っていたのですが、どこも満員で入れそうにもありません。まあ連休だし残念でもなく当然ですね。

 結局宿に戻って温泉に浸かり、部屋で道中買った日本酒を味わうことにしました。福井の日本酒、甘め?だけどすっきりしていて美味しいですね。水が綺麗だからでしょうか。

雨に濡れた温泉街は幻想的

2022年10月10日

えちぜん鉄道三国芦原線:あわら湯のまち(1019)~鷲塚針原(1039)

 今日もやっぱり雨模様。晴れてれば東尋坊…とも思ったのですがやめときます。えち鉄のフリーきっぷも残ってますしね。

さようなら、芦原温泉。君に出会えたサイコロに感謝。
フェニックス田原町ライン:鷲塚針原(1049)~越前武生(1153)

新造の低床ホームに佇むフクラム

 えちぜん鉄道三国芦原線福井鉄道福武線は専用の低床車を用いて田原町相互直通運転をしています。その愛称が「フェニックス田原町ライン」。何がどうフェニックスかはおいといて、コイツに乗ってみようと思います。こんな顔していますが、福井鉄道内では急行運転をします。北陸はこの手のライトレールが盛んですね。

 いまやえちぜん鉄道福井鉄道第三セクターなんだから、相互直通運転と言わずに統合すれば…とも思いますが、いろいろと難しいんでしょうね。でもここに更にハピラインふくいが加わるんですから福井県は大変な気がしますけど……。

中に誰も居ませんよ

 福井鉄道線内に入ったら、車内で一日乗車券を購入。車内で買うと「越前武生駅発行」扱いになるんですね。これも補助金により半額の280円で買えました。ラッキー。

 この路面電車みたいな車両でけっこう高速運転するのは、迫力があります。

前武生駅(当時)

 越前武生(現:たけふ新)駅に到着。こっちが先に名乗っていたのに、北陸新幹線に名前を奪われ改名させられた、可哀想な駅です。駅前にはご当地スーパー「アル・プラザ」があり、結構便利。

 福井鉄道内は急行だからか、それなりに乗客がいたように思います。でも、えちぜん鉄道から通しで乗る人はそんなにいなかった気が……。

福井鉄道直通急行:越前武生(1212)~福井城址大名町(1252)

 先ほどのフェニックス田原町ライン福井鉄道内では直通急行という種別らしいです。こいつに乗って、中心地・福井城址大名町へ。

ちなみに普通列車はこんな車両

 せっかくなので福井城跡を見てみましょう。この福井城跡には現在なんと福井県庁が入っていて、日本一堅牢な県庁だと思います(多分)。福井県は一体何と戦っているんだ。

日本一堅牢な県庁
福井鉄道普通:福井城址大名町(1317)~福井駅前停留場(1322)

 路線図を見てもらえば分かるのですが、福井城址大名町~福井駅盲腸線のような形になっています。ここで面白いのが、福井城址大名町はいわゆる「デルタ線」になっておらず、「」の字の形になっており、福井駅に寄る普通電車は必ず福井城址大名町を2回通ることになります。そのため、福井城址大名町ではスイッチバック(逆走)が見られ、ポイントを扱うトロコンの操作など、鉄オタが見ていて飽きない駅になっています。

 更に面白いのが、折り返しを逆手に取って普通を逆方向のホームに入線させることで、普通電車と直通急行(福井駅に寄らない)の緩急接続を行うというアクロバティックなこともしています。ちなみに逆方向は普通を福井駅方面へ逃がす(待避させる)ことでショートカットする急行が先行します。福井鉄道路面電車区間で謎の気合いの入れようです。

 という訳でこの区間にわざわざ乗ってみました。福井城址大名町で運転士さんはブレーキレバーを持って最後尾へと向かいます。中々複雑な路線でしたね。

えちぜん鉄道勝山永平寺線:福井(1355)~勝山(1448)

福井駅ではお昼に北陸ローカル「8番ラーメン

 再びえちぜん鉄道に戻って、もう一つの路線に乗っていきましょう。三国芦原線勝山永平寺線福井口で分岐しますが、この福井~福井口北陸新幹線の高架の横を併走します。ニューシャトル的な感じです。

工事中の北陸新幹線は架線がまだ?

 越美北線ほどではありませんが、九頭竜川に沿ってこれまたローカルな区間を走ります。でも、心なしか福井鉄道よりは寂しくないような気もします。

 

終点勝山駅。昔は更に線路が伸びていたとか
えちぜん鉄道勝山永平寺線:勝山(1519)~福井(1612)

駅前では恐竜がお出迎え

 なんだかんだでそろそろ帰りの時間が近づいてきました。アホなことに、大阪回りで帰らないといけないのでね。

 同じ電車に乗り込み、再び福井を目指します。福井駅の構造も、だいぶ覚えてきました。

北陸本線普通:福井(1639)~芦原温泉(1657)

 せっかくなので本来のゴール、JR芦原温泉駅を目指します。帰りの特急くらいは芦原温泉から乗りたいですからね。結構芦原温泉に停まるサンダーバードが少なくて苦労したんですよ。

ちょうどいいことに芦原温泉

 という訳で芦原温泉駅に到着!駅員さんの心のこもったホワイトボードが出迎えてくれました。こういうの嬉しいですね。「サイコロきっぷ」に地方駅の気合いが入っていることが覗えます。

ゴール!

 外も薄暗くなってきましたが、駅の周りを見てみると、新幹線駅開業に向けた工事が進んでいました。

向こう側にはきっと、新幹線の駅

「20分短縮」の効果や如何に
サンダーバード38号:芦原温泉(1732)~大阪(1938)

JR面できるのも今のうち

 それでは最後は、正規目的地の芦原温泉駅から特急に乗りましょう。

 福井、短い間でしたが楽しかったです。でもちゃんとした観光はあまり出来てない気がするので、後日ちゃんと訪れたいですね。

堂々たる「特急街道」

 大阪行はともかく、名古屋行の表示が見られるのも、残り僅かな期間でしょう。サンダーバードはどうなるんでしょうね。大阪~敦賀になるのか、はたまた神戸なり関空なりに延伸するのか……。和倉温泉行の処遇も気になりますね。いずれにせよ、一年以内に判明することですが。

 今はともかく、サンダーバードの雄姿を記憶に刻み込んでおきましょう。

帰りもまた貫通顔かよ!

 帰りの電車もまた満席近く。京都まで隣におじさんが座ってました。早め(1ヶ月前)に指定席とっといて良かった。後ろ髪を引かれる思いに、北陸トンネルが長く感じられます。

 以下の写真は芦原温泉駅で買ったローカル炭酸飲料(?)です。緑色ですが、特にメロン味は付いていません。炭酸は強め。

さわやか?な飲料
東海道本線:大阪~新大阪

 サイコロきっぷは大阪駅で終了して(もちろん記念に貰いました)、東京への帰宅の途につきます。まずは新大阪駅へ。551蓬莱はめちゃくちゃ混んでました。断念。

大阪らしく、新大阪改札内のフードコートでたこ焼きを頂く
のぞみ464号:新大阪(2039)~東京(2303)

 これに乗ってしまえばこの旅はおしまい。

 そう思ってしまうとホームに上がる足が重いですが、帰らないといけません。東京者には珍しいさくら号を見物しながら、のぞみ464号を待ちます。車両はN700スモールaでした。 

福井名物焼き鯖寿司

 晩御飯を食べられなかった場合に備えて買っておいた「焼き鯖寿司」を車内で頂きます。寿司に焼き鯖とは…?と思いましたが、時間経ってるはずなのにジューシーな鯖の味で結構美味しかったです。

 新幹線は定刻通り東京駅に到着。今回の北陸の旅は終了です。あーあ、楽しかった。

福井から新幹線で帰って東海道新幹線ホームとは

おわりに

 今回のサイコロきっぷは、「漠然と旅に出たいけど、これといって行きたい場所がすぐ出てくる訳ではない」といった私にとっては、サイコーの企画でした。大阪まで出るのが大変だけど。是非また企画してほしいですね。なんだかんだで課金しまくって結構な額を切符に使った気がしますが、それも大阪~芦原温泉を5000円と破格で行けたからで、つい紐が緩んでしまいました。

 今後伝説になるであろう、国内指折りの特急サンダーバードに、北陸新幹線開業前に乗る機会を得られたのは何よりです。

今回使った切符たち

 えちぜん鉄道福井鉄道の一日乗車券の割引であったり、(関係ないけど)越美北線の運賃補助だったり、福井県は鉄道利用促進に向けた補助金が多いように感じました。これはえちぜん鉄道の一件もあり鉄道交通の重要性を身を以て経験したからだと思いますが、ローカル線の存続問題が度々浮上する現在、廃止議論が起こる前に利用低迷を抑えるような政策を採る、そういった行政の動きが大事なのではないか。

 そう鉄道行政への思考を巡らせてしまうような、福井県の政策を感じた今回の旅行でした。

 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。